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「起こるミラクル 起こせ想い」 #prfm

Perfume
そう、これはPerfumeのSweetRefrainの歌詞の一部だ。でも僕は京セラドーム公演が終わるまでは本当の意味がわかってなかったかもしれない…

9月某日いつものようにPTA(ファンクラブ)のサイトで京セラドームのチケットを申し込んだ。2日とも無事に当選してチケットが来るのを待ちわびていた。

12月某日、2週間前にようやく京セラドームのチケットが届いた。相変わらずPTAは僕に厳しい。もう何度目かわからなくなってきたけど、今回も良席ではなさそうだった。まあ、対バンツアーの時みたいに落選して行けないよりはいいと自分に言い聞かせてた。

そしてライブ当日。なんやかんや言っても浮かれポンチで京セラドームに到着。喜々としてグッズに並んだり真鍋さんの3Dスキャンに並んだりしていた。会場に入るまでに興奮がマックスになる。

開演の30分前になったのでいよいよ入場。京セラドームをライブで訪れるのは初めてだ。チケットとにらめっこして自分の席を見つける。一階席の最後列だった。自席についての第一印象は「正直、遠いなあ。」ライブは豆粒席でも自分で神席に変えてやれ!と人に言い続けてたので僕も微力ながら精いっぱい声援を送るよ…と心の中で呟きながら上着を脱いでPTA専用のTシャツ姿になって開始を心待ちにしていた。
すると隣の25歳くらいの前髪ぱっつん黒髪ストレートロングのかしゆか似の女性(以後K子さん)が僕のTシャツを見て「ファンクラブでチケットとってますよね?あの前の方(アリーナ)の席はどうしたら手に入るの?」という質問。正直その答えは僕が教えて欲しいやつだ。K子さんの勢いにおされながら「僕もアリーナ未体験なんです。」というとちょっと安心したような困ったような微笑みでK子さんが僕を見ていた。
見た目通りK子さんはかしゆかが大好きで沖縄から一人で参加している事がわかった。そのK子さんがいきなり自分の鞄を掘り返して焦っている。「目薬忘れた。この付近に目薬売っている場所ありますか?」と。もう開演予定時間まで20分切っている。近所のショッピングセンターを教えたけど間に合うかは微妙だ。それでもK子さんは意を決して僕に「鞄見といて下さいっ。」とだけ言い残してダッシュで目薬を買いに飛び出していった。

開演5分前。会場は熱気を帯びて4万人が手拍子をしている。ビジョンに映るチョコラBBのCMにすら声援が飛んでいる。でもK子さんはまだ戻ってこない…。会場が暗転した。と同時に「間に合ったぁ。」息を切らしながらK子さんが戻ってきた。K子さんが目薬を差し終わると同時にライブが始まった。
突然だけど僕は左利きだ。意識していないと手を挙げたりするのは左手を挙げてしまう。興奮して左手をあげると隣の人の右手と当たる。でも今回はあまり当たらない。あれ?と思ってK子さんの方をみると目が合ってニコっと微笑んでいた。 終演。感動のアンコールの余韻に浸っていた。ふと横向くとK子さんも感動してちょっと泣いていた。

退場時にK子さんに「もしかして左利きですか?」と思いきってきいてみた。 腕が当たらないのは二人とも左利きだというのがその時わかった。その後、よくある左利きあるるみたいな他愛もない話をしながらドームを後にした。「なえさんも明日も参戦しますよね?」とK子さん。喰い気味に「もちろん」と返す僕。するとK子さんは悪戯っぽい笑顔を見せながら明日のチケットを鞄から取りだした。そして 「私は今日よりも前の方なんですよ。アリーナじゃないけど。」と嬉しそうに報告してくれる。「僕も今日よりは前やで。どこかは忘れたけど。」とチケットを家に置いてきた事をこのときばかりは後悔した。そうこうしているうちにタクシーが来たのでお互い明日も楽しもう!とエールを交換してバイバイした。

2日目は1時間早く公演が始まる。前日に目ぼしいグッズも購入していたので開演15分前位に会場に入った。1階席の6列212番。これが僕の今日の席だ。昨日に比べたら近い豆粒がおにぎりくらいになった気分だ。

ふと昨日のK子さんもいい席だといいなあとおも出しなが自分の席を探した。もうその席以外は埋まっていて同列の人に「すいません。」といいながら通してもらい自席につこうとしたその時、「あー!」という声が。なんと隣が昨日のK子さんだ。4万人も入る京セラドームで二日連続で同じ人がとなりにくるなんて。K子さんも目をまるくして驚いていた。そして二人で「昨日よりいい席だねー。」とかいってたら暗転してライブが始まった。

K子さんも昨日よりノリノリだ。左利き同士なので手が当たらないというのがわかっているからか激しく動いている。ときおり目があってニッコリしているのは昨日と変わらない。 そして昨日と同じく感動のアンコールで幕を閉じ、これまた昨日と同じくK子さんはちょっと泣いていた
。 
僕もK子さんもまさかの2日連続となり同士に驚きながら、Perfumeじゃないけど改めて自己紹介して連絡先の交換をした。明日帰るとの事だったのでK子さんのホテルの近くでお好み焼きを食べる事にした。帰り道、演出で空から降ってきたPerfumeのメッセージ入りの風船をゲットしたのがご満悦なのか、ぴょんぴょんと跳ねるようにK子さんが歩いてついてくる。
お好み焼き屋さんでは、博多出身で夢をかなえる為に沖縄に住んでいる事。二人とも自宅にコーギーがいる事。一人で参戦するのはちょっと心細かった事。かしゆかへの愛×100。本当に一人で心細かったのか、K子さんはコロコロ表情を変えながらいろんな事を話してくれた。

そしてホテルまで送って行き、また次のライブで逢う約束をして別れた。 4万人の中で奇跡のような体験をした後だ。約束といっても次のライブも行くよね。とお互い確認しただけ。その約束だけで次のライブも隣になっている気がした。冷静に考えるとそんなことないはずなのに。
地元に戻って余韻に浸りながらとぼとぼ歩く帰り道。少し火照った体をクールダウンするかのように冷たい夜風に吹かれながらWalkmanから流れているPerfumeのSweetRefrain。この歌詞の意味が解った気がした。
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起こるミラクル 起こせ想い 
このままじゃ いけない 明日がいっぱい 
気持ちはきっと加速して 心が12000回転くらい 越えた頃 
次につながる 風を切って 
まさかというようなことを 次々と繰り返してきて 
まだ 追い越せない 届けたいの 
そう Sweet Refrain 
そう Sweet Sweet Refrain